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ぼくの地球を守って あらすじ~vol.2~ ときどき感想

僕の地球を守って あらすじ2 エンタメ
この記事は
都市伝説系のお話しがお好きならばきっとハマる名作漫画【ぼくの地球を守って】のストーリーの書き起こしです。漫画の世界観を(なるべく)壊さず辿る、浸れる読み物になるよう綴っています。
なな
なな

ぼく地球をまだ1度も読んだことがない方、ネタバレNGな場合におかれましては一刻も早くこの記事を離れて、【ぼくの地球を守って】正規の漫画をぜひともご覧ください!

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ぼくの地球を守って あらすじ(ネタバレあり)~vol.2~

永い永い夢を見ましょう
この狂おしいほど愛しい地球を抱きしめながら
夢は前世の記憶を覚醒させ
重なり合う二つの心に新しい物語が刻み込まれる
ぼくの地球を守って第一巻表紙

僕の地球を守って1
この記事は、↓vol.1からの続きとなります。

願いと祈り

パンッ!!

ありすの頬を叩く音が病院の廊下に響いた。
叩かれた勢いでありすは壁にぶつかりへたり込んだ。

「輪があなたに何をしたって言うの!?輪になんの恨みがあって!!」

取り乱して泣き叫ぶ輪の母親に、ありすは何も言えず、ただただ泣くことしかできなかった。

真っ暗だった。時間を戻したいと願わずにはいられない。
誰か嘘だって言って。
お願い

神様‥!!
お願い‥!!!

奇跡的に輪の身体には目立った外傷がほとんど無く、一命をとりとめた。

ただ‥

意識が戻らなかった。

その夜、ありすは夢を見た。
悲惨なものだった。

真っ暗な中、直感的に嫌だと感じる方向へ輪が駆けていく。

「そっちへ行っちゃダメ!」

ありすの言葉を無視し、足を止めない輪はそのまま崖から転落してしまう。

ありすは飛び起き、これは‥現実だ、と絶望した。
輪を助けられなかった、助けるどころかベランダから突き落としたのは私だ。

こんな未来を望んだんじゃないのに。

ありすは、ふらふらと立ち上がって自宅のベランダに足を運んだ。

15階のベランダから下を見下ろす。

高い‥
こんな高い所から輪くんは‥

輪が体感した恐怖のことを思うと吐き気をもよおし、ありすはその場にうずくまった。

そこに、ありすの弟、母親、父親が次々にやってきた。

母は、ふんばりどきだ、家族みんなで頑張ろうじゃないかと言った。
父は、お茶が入ってるよと部屋の中に入る様に促した。
弟は、姉ちゃん知ってた?と話し始めた。

「輪が奇跡的に命をとりとめたそのワケは、下にあった木々がクッションの役割をしてくれたからなんだって。姉ちゃんここでも特別好かれてんだな!」

しぼみきっていた心が
家族と優しい木々生命によって少しずつ膨らんでいくのがわかった。

ありすは、母が言った「ここがふんばりどき」という言葉を胸に刻んで、前を向く決意を固めた。

次の日、輪の転落事故が新聞の記事に載り、学校ではありすが子供を引っ叩いて突き落としたという噂が広まっていた。

ありすがクラスメイトに「おはよう」と声をかけるも、今まで仲良くしてくれていたはずの友人達は急によそよそしくなってしまった。

「おとなしそうなのにね‥」
「わざと突き落としたわけじゃないんでしょ?」
「‥でも‥わかんないわよ」

陰口が‥聞こえる。

泣いちゃダメ
泣いちゃダメ
それでもありすは「ふんばりどき」という母の言葉を思い出し冷静を保とうとした。

輪の転落事故の噂話でざわつく教室を一掃したのは、小椋迅八だった。

机をバンッと叩きつけ、噂話を続ける女子を睨みつた。
そのままおもむろにありすの側に近づいて「おはよう坂口さん」と満面の笑みを浮かべた。

泣いちゃダメ
泣いちゃダメ‥

小椋くんに挨拶を返さなきゃ。

「おは‥おはよう!」

ありすはにっこり微笑んだ。

本人はそのつもりだったが、その笑顔とは対照的に大粒の涙が止めどなく流れ落ち始めてしまった。

違う。泣きたいんじゃない。ちゃんとお話しを‥

ありすはこぼれ落ちる涙をぬぐいもせず、笑顔のまま迅八に向かって話し続けた。

「あれからすぐに帰ったんですか?それともまだデートしてたんですか?一成さんと」

ほら、ちゃんとジョークまで交えてお話できてる。

大丈夫。私は平気。

クラス中が静まり返り、ありすに注目していた。
ありすからこぼれ落ちる涙を人目からかくまう様に、迅八は、そっとありすを抱きしめた。

かばわれると‥泣けてくる。
泣いちゃダメって思ってるのに。

今日帰ったらすぐに『元気クッキー』つくろう
そして、お花と一緒に輪くんの病室まで届けに行こう。
でも多分
輪くんのお母さんは
あたしの顔まだ見たくないだろうから
だれにも見つからないように
ドアの前に‥置いてこよう‥

まだ目を覚すことのない輪の病室のドアの前、面会謝絶の文字の向こう側にいるはずの輪くんに向かってありすは祈る。

神様
輪くんをどうかお守りください。
輪くんの目を覚してください。

輪くんをどうか助けてください。

夢のつづき

ー昼休みー

ありすは学校にある椿の木が生える中庭を訪れていた。
クラス中から注がれる冷ややかな空気感や、腫れ物を見る様な目線をできるだけ避けたかった。

そして、ここに来ればやさしい椿が叱咤激励してくれた。

お弁当くらい、おいしく食べたいし‥。

休み時間を1人で過ごそうと訪れた場所だったが、そこに迅八と一成が現れた。

彼らは、毎夜見るという【共通の夢】の内容について、昨夜の夢の感想を人目につきにくいこの場所で話すことにしていた。

ありすは2人の共通の夢に興味津々で、その内容を聞くことにした。

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迅八と一成が見る夢の舞台は、どうやら月である。
月にある研究所に7名の科学者がいて、うち2名が迅八(の意識であるギョクラン)と一成(の意識であるエンジュ)だった。

7名が月の研究所で行っているのは地球の観察。各国のデータ、政治や自然についての詳細な記録をとるのが日課だという。

それから、迅八(ギョクラン)と一成(エンジュ)それぞれの人物像について語った。

玉蘭ギョクラン(男)
・品行方正
・優等生タイプ
・考古学博士

エンジュ(女)
・内向的
・古生物学者
・したたか
・ギョクランに惚れていて、ギョクランが憧れる木蓮モクレンに対しての嫉妬心に苦しんでいる

それ以外の5名については

木蓮モクレン(女)
・容姿端麗
・才色兼備
・温厚博識
・女性らしいまるみのある性格
・知り合った男性みんなに惚れられる
・誉高い生物学者
紫苑シオンの婚約者

紫苑シオン(男)
・非行に走りそうなヤツ
・正義感が人一倍強くて不器用
・全てにおいて優秀
・はみ出しもの
・木蓮と婚約したヤツ

繻子蘭シュスラン(女)
・科学者
・エンジュの親友

ヒイラギ(男)
・任務遂行の責任者
・言語学者

秋海棠シュウカイドウ(男)
・医学博士

そんな7名が繰り広げる生活を迅八と一成は、断片的に夢に見ることを繰り返しているとのことだった。

もしかしたら‥
迅八と一成以外の、他の5人も探せば実在するのかもしれない。

ありすは、空いた口が塞がらなかった。

忘れられない記憶

午後の授業の時間になっても、ありすは迅八と一成が見た夢の話が脳裏から離れなかった


突然、授業の合間に先生から呼ばれ我に返った。

「お母さんから電話だ。職員室に急ぎなさい。」

ありすは、もしや輪くんの容態が悪くなったのではないかという不安にかられ、猛ダッシュで職員室へ急いだ。

「輪くんの意識がね、戻ったの!」

ありすは言葉を失った。

「早退してらっしゃい!病院へおいでありす!輪くんのお母さんは謝りたいっておっしゃってる」

ありすは電話口で涙を堪えきれなかった。

神様‥‥!!
ありがとうございます!!

ー 病院 ー

「あぁ ありすが着いた」

ベッドの上の輪はつぶやいた。

「また直感ごっこ?」と輪の母は笑ったが、輪には本当にありすが息をきらしてコケながら走る姿が見えていた。

病室まで

あと10m

5m

1m

輪は病室の扉から目を離さなかった。

病室まで、あと3歩。

“ガチャ”

扉が開いたと同時に、輪はありすに駆け寄って抱きついた。

「ありす!!」

そして、ありすの耳元でこそっと囁く。

「また動物園へ連れていってね」

ありすにとって、忘れられない記憶として刻まれる。

ー 学校 ー

ありすのクラスの女子たちは、今までの自分たちの行いに後悔していた。

いじめたわけじゃないけど、これは、いじめじゃないのか。
ありすのことを悪く言った
みんなで無視し続けた

迅八はもちまえの明るさ、そして中立な視点で

「じゃあ、みんなで謝れば怖くないんじゃない」

と「青春だ」と、笑いながら女子達にけしかけた。

ありすが登校した際、みんなでせーので「ごめんね」と声をかけた瞬間、ありすははみ出しものでは無くなった。

中庭の椿が

「よかったねぇ」

と言っている声が、ありすには聞こえていた。

覚醒

「あの、とても言いづらいことなのですけど。」

輪の母は、ありすの母に相談をもちかけていた。

相談内容は
輪が、ありすを
「絶対に嫁に欲しい」
‥と、言い始めたということだった。

とはいえ、輪はまだ7歳。
ありすは16歳だ。

ありすの母親も困惑を隠せなかった。

学校からの帰り道。
ありすは退院したての輪に遭遇した。

学校で仲間はずれがなくなったこと
輪くんが目覚めて元気になったこと
今晩の夕飯がおでんであること
色々嬉しいことが重なっていたありすは上機嫌だった。

以前までは忌まわしかった輪からのイタズラすらも愛おしく感じるほど、自分は成長したと思っていた。
さぁ、今日はどんなイタズラをしかけてくるんだ?
“ちょっと怖い”と“嬉しい”のはざまで、ありすは輪と一定の間合いを取った。

「ちょっとかがんで下さい。大丈夫、いじめません」

輪に言われるがまま、ありすが「?」とかがんだ瞬間、輪はありすにキスをした。

「ボク、ありすのこと愛しちゃってるんだ‥♡」

そして、楽しそうに去って行った。

いやいやいやいやいやいやいやいや何のイタズラだ。
理解がおいつかないありすは、輪が事故の時に頭を打ったせいで何かおかしなことになってしまったのではないかと心配になった。

これが、自分のファーストキスだったことに落胆した。

さらに

自宅について、母親から

「輪くんと婚約する気はあるかい?」

と問われて、卒倒した。

気を失ったありすは、夢を見ていた。

夢の中で
青い青い地球を見下ろしていた。

ここまでのお話は
ぼくの地球を守って(文庫版)第一巻より、お伝えしています。

ぼくの地球を守って 感想と思うこと

私は特に高所恐怖症があるわけではありませんが、15階から転落するなんていう想像はとてもじゃないけどゾッとします。

が、こんな妄想をしてみたんです。

転落したのがもし自分だったとして、命に別状がなく意識を取り戻しました!となった場合。
私だったら、きっとありすに会うことが怖いと感じてしまうんじゃないかなと思うのですよ。

ありすの顔を見たら、15階のベランダから落下したときの恐怖を呼び起こすキッカケになってしまうんじゃないかなというか。

それがね、輪くんの場合は
ありすに抱きついて、また動物園に連れてってねって‥
そんなこと言えます!???
スゲー( ̄∀ ̄)って思っちゃいました。

輪くんはこの時すでに“覚醒”を済ませているので、自分とありすのなんたるやを感じとっているからこその、こんな可愛らしい再会だったんだなと。

ほのぼのしましたが、この後の展開がマジでヤバいのですよね。
はははははは。

あらすじのつづきは↓こちらです
ぼくの地球をまもって あらすじ~vol.3~ ときどき感想

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七色便り綴り人
なな

北海道生まれ、田舎育ち、東京暮らしを経て現在長野在住
気の向くままに
明日もしかしたら誰かの役にたつかもしれないことを
色々綴っています。

特にスピリチュアルな人間ではなけど、神社を好みます。
(お手伝い程度、巫女経験あり)
神様と対話ができる方を羨ましく思う今日この頃。

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