記事内に広告を含む場合があります。

ぼくの地球を守って あらすじ~vol.3~ ときどき感想

僕の地球を守って あらすじ3 エンタメ
この記事は
都市伝説系のお話しがお好きならばきっとハマる名作漫画【ぼくの地球を守って】のストーリーの書き起こしです。漫画の世界観を(なるべく)壊さず辿る、浸れる読み物になるよう綴っています。
なな
なな

ぼく地球をまだ1度も読んだことがない方、ネタバレNGな場合におかれましては一刻も早くこの記事を離れて、【ぼくの地球を守って】正規の漫画をぜひともご覧ください!

スポンサーリンク

ぼくの地球を守って あらすじ(ネタバレあり)~vol.3~

永い永い夢を見ましょう
この狂おしいほど愛しい地球を抱きしめながら
夢は前世の記憶を覚醒させ
重なり合う二つの心に新しい物語が刻み込まれる
ぼくの地球を守って第一巻表紙

僕の地球を守って1
この記事は、↓vol.2からの続きとなります。

記憶と現実のはざま

‥クレン‥!

モクレン!!

「あら?ここは?私はどうしたの?」
「階段につまずいて見事にひっくり返ったんだよ。オッチョコチョイなんだからな、君は」
「でも大丈夫みたい。ちょっと髪が乱れたくらいで。髪を直すわ。鏡‥鏡‥」

鏡に映る自分の姿を見て違和感を感じた。

「ねぇ紫苑シオン私ってこんな顔してたかしら?」
「大丈夫かモクレン。頭を打ったか?」
「違うわ紫苑シオン、私は木蓮モクレンちゃんと漢字で発音して!」
「まったく君って日本びいきだね」
「そう!私って日本びいきなの。」

木蓮は不思議な夢をみていた話を紫苑に語りかける。

「私、倒れていた間に地球の日本の女の子になった夢をみたの。黒髪で鼻ぺちゃでとてもキュートなの。」

「自然に囲まれて、あの大気を感じたの。そしてね、私は私のことを友達に聞いて感心してるのよ。」

紫苑は優しく木蓮を抱きしめた。
木蓮は一筋の涙をこぼした。

「私たちここから‥地球を見守って‥」


ペシペシ

叩かれる感触がある

「姉ちゃん!!大丈夫か!!」

‥ん?‥??

弟の声が聞こえた。

「ありす、大丈夫?」

母の声も聞こえた。

「なんの話してたか、覚えてっか?姉ちゃん?」
「なんだっけ‥?」
「輪くんとの婚約の‥」

ありすは寝ぼけていた。
先ほどの“記憶”が入り混じる。

「婚約?私もう“しおん”さんと婚約済みだもん。だめよもう。」

すっとんきょうな答えに、弟と母は唖然とした。

ありすは「疲れたから死ぬ」と言い残し、着替えて寝ようとしたが、理由もなく涙があふれはじめた。
なぜ泣いているのか自分でも分からなかったが、とにかく大声をあげて泣いてしまうことにした。

輪とSくん

輪の母親は、事故後の輪について不安に思うところがあった。

奇跡的に一命を取り留め、元気になってくれただけで良かった。
輪の言うことはどんなわがままであっても聞いてあげたいと、最初はそう思っていたが、最近の輪は何かが違うと感じ始めた。

「ねえ、輪。ありすちゃんとの婚約のことだけど、もう少し輪が大きくなってからの方がいいんじゃない?」

「やだい!その間にありすに変な男がついたりしたら、ぼく‥‥ぼく‥」

盛大に泣き散らかす輪に、母は、ホントにありすちゃんが好きなのねと優しく抱きしめ寝かしつけた。

輪の度が過ぎたワガママ。事故の影響で‥?成長で?こんな風になっているのだろうか。
我が子がひた隠しにする得体のしれない変化を、母だけがこの時すでに感じ取っていた。

ー 深夜 1:30過ぎ ー

輪はパッと目を覚まし、そっとベランダに出る。
暗闇の中、あたりを見渡す。
寝静まって誰もいないことを確認し、15階…先日重体となったばかりのあの落下地点から、今度は自ら飛び降りた。

何事もなくスタッと地面に着地し、輪は駆け出し闇に消えていった。


バイクの音暴走族の頭であるタカシは、夜な夜な集会を開いていた。
その日のタカシはすこぶる機嫌が悪かった。

もうこれで10通目だという意味不明な手紙に腹を立てていたのだ。

手紙の内容はこうだった。

警告
Sクンと仲良しになんなくっちゃだめだよ。

タカシは身に覚えのない迷惑な手紙を破り捨てた。

集会もお開きになったところで、タカシは一人バイクを走らせる。
手紙のことなど忘れ、ラーメンでも食いたいなと家路を急いだ。

ハッと道路の真ん中に子供が立っていることに気づき急ブレーキでかわし

「気ぃつけろ!!バーロオがっ!!」

すれ違いざまに少年に向かって罵声を吐いた。

罵声をあびた少年は輪。
ぺろっと舌をだしてタカシに向かって微笑む姿は、いたずらっ子そのものだった。

なんだあいつ‥!?

タカシが奇妙に思った瞬間、飛んできた新聞紙で視界が奪われた。危ない!と、すぐにバイクを止めようとしたがブレーキが効かない。
どこをどう走っているのか分からない状態で、タカシは焦って助けを求め叫び続けた。

自分で操作のできないバイクが止まり、見渡した風景にタカシは冷や汗が止まらなくなった。
気づいた時にはガードレールを飛び越えバイクごと宙に浮き、今にも海に転落しそうだった。

「ぅ‥ア゙ア゙ァー!!!!!!」

生まれてこの方、出したこともない奇声をあげていた。

突然

「怖い?」

声の先には、さきほど自分がバイクで跳ねそうになった輪が浮遊している。
タカシは何も返すことができず恐怖でガタガタ震えた。
輪はタカシに向かって続ける。

「ボク、Sくん。仲良しになってね」
「ボクね、ほしかったものがあるの。」
「東京タワー。あれ、ボクにくれない?」

『東京タワーを手にいれる』

輪の目的のため、建設会社社長の息子であったタカシがターゲットとなった。

けっして穏やかとはいえない交渉に、タカシは命をかけて応じざるを得ない状況に追い込まれた。

「言うことを聞かないと俺は殺されるっ!!」

そのことがあってから、タカシは自分の部屋から出ることができなくなった。
家を留守にしがちな父親が帰ってくるや

「助けてくれ!東京タワーの改築工事親父おやじがやるんだろぉ!だったら俺に東京タワーくれよぉ!!」

と懇願した。

塞ぎ込み、食事も喉を通らず、様子がおかしくなったタカシの世話を任されたのは雇人の田村だった。

田村がこれはただ事ではないと“Sくん”が何者なのかを調べようとした矢先、自分が乗っている車のワイパーに自分宛の手紙が挟まれていることに気がついた。

手紙には

やっさしーい
タカシくんのマーマせいんとせーやの再放送みてる?の田村さん
タカシくんをたすけたげてね。
タカシくんの親友のSくんより。

と、書かれていた。

宣戦布告か

と、田村は“S”との戦いを受けて立つことを心に決めた。

そのころ、先日の集会以来、一切顔を見せることがなかったタカシから、暴走族の舎弟に電話が入っていた。

「石蕗高校1年の、小椋迅八と錦織一成にお礼参りをしろ。」

ありすと木蓮

一晩経って、ありすは自分の見た夢に驚愕していた。

確認のため、夢の内容を脳内リプレイする。

部屋中が植物園の様
地球を見上げていた
黒髪で浅黒い肌のハンサムな男性を紫苑と呼ぶ
紫苑さんは私のことをモクレンと‥

思い出して恥ずかしくなった。
よりによって木蓮はない。流石にそれはない。あさましいにもほどがある。

迅八や一成の夢の話を聞き過ぎて、自分も妄想で見てしまった夢に違いない!!

それにしても…

かなりリアルな夢であったことに、ありすは夢の内容を忘れるどころか、色濃くなる気さえしていた。

が、
母親から昨夜の話を持ち出されて現実に引き戻された。

「なに分、子供の言うことだから口約束だけでも構わないってことだけれども…」

あぁそうだ
輪くんとの婚約の話…

「うん、それだったら…いい。」

ありすは、伏し目がちに…静かにうなずいた。

スポンサーリンク

ー 学校 ー

授業中、ありすは夢のことが気になり過ぎてノートに紫苑と木蓮の似顔絵を描いてみた。

うーん…
小椋くん達に話してみようかなぁ…

夢の話をするときに集まるお決まりの中庭で、思い切って似顔絵を見せたところ、迅八と一成は絶句した。

ありすが見た夢の内容は、迅八たちがいつも共有する月の夢と完全一致しており、なにより木蓮と紫苑の似顔絵が当事者でないと描ききれないほど激似だった。

「じゃぁ、坂口さんってもしかしたら…紫苑?」

ありすは真っ赤になった。

「いえ……その…」
「木蓮!?」
「すっすみませんっっ」

思わず謝った。

迅八は、探せば他のやつらまで本当に出てくるのではないかと大興奮した。
一成は、都市伝説系雑誌“BOO”掲示板の欄に載せて呼びかけてみようと提案した。

下校の時間
暴走族の集団がたむろし、正門はタダならぬ雰囲気に包まれていた。

帰りたいのはやまやまだが、ありすはそこを通ることを躊躇した。
一成は「なんだろう」と不思議がったが、迅八は他人事だと気にせず帰ろうと族の集団の横を通り過ぎようとした。

「おう、小椋迅八と錦織一成ってのは、そこのあんたらだろ?」

呼び止められ、迅八と一成vs暴走族の大乱闘が勃発してしまった。
(あんがい強い迅八と一成)

集団相手に迅八と一成がやり合う中、ありすが巻き添えをくらい、ヤカラに転ばされてしまった現場を目撃した迅八は完全にキレた。

「てめえっ!!」

睨みをきかせてその相手を指差した
瞬間

触れてもいないそのヤカラは、迅八の威圧(?)だけで吹っ飛ばされてしまった。

え…今
何が起こった?

その光景を目の当たりにした敵も味方も、やった本人でさえも理解できずに一瞬止まった。

騒動を聞きつけた先生たちが職員室から駆けつけ、族の集団は逃げる様に去り、大乱闘は終了。

ありすは逃げていく暴走族集団のバイクの爆音のさなか、上から視線を感じて屋上を見上げる。

視線の正体が何か分からず気のせいかとやりすごしたが、そこで乱闘の一部始終を見ていたのは輪だった。

タカシになりすまして暴走族の舎弟に電話をかけ、迅八と一成を襲うように指示をしたのも輪だった。

迅八ヤツガホントウニ『ギョクラン』デアレバ
チカラ
発揮ハッキスルハズ

乱闘で迅八が相手に触れることなく吹っ飛ばしたそのチカラは
紛れもなくギョクランの…

ドコマデモ邪魔ナヤツ

輪は
迅八を睨みつけた。

地球の7人と月の7人

ー 春休み ー

ありすは輪と2人で都心まで出向いていた。

(一応)デートだ。
(ということにしておかないと、輪が怒る。)

ありすは、都会の緑のことが気になって仕方なかった。

都会の木々は都心に近ければ近いほど声は小さくなり、やがて何も話さなくなる。
ありすは緑を見つめ、感情はなんとなくわかっているのに、自分は何もしてあげられないことに哀しくなってしまった。

「たまのデートになんだよ…そのつまんなそーな顔はっ!」

気づくと輪が、ありすの辛気臭い態度にふてくされていた。

あ、やばいと思い

「お腹すいたね!何か食べて帰ろう!」

と輪の気をそらす。

輪がカバンが買いたいというのでデパートに立ち寄ることにした。


タカシの世話役を仰せつかって食事の支度をしていた田村に電話が入った。

「田村さん!お元気ですか!?」

電話の相手は、田村が街で助けたことがある心臓に病を抱える笠間春彦だった。
「春ちゃん!もう体いいのかよ!!」
「4月から学校に行けるほど良くなったよ!今、デパートに来てるんだ」
「ホントかよ!嘘だったらシメんぞこのやろ〜!w」
「www 今から出てこられない?会いたいな〜」

田村は仕事で抜けられないが、また今度会おうと約束をして春彦と電話を切った。

田村は人を良く助ける。
その対象が“少年”であれば、絶対に放っておくことができない理由があった。
田村には、自分の弟の苦しみに気づいてやることができず、自殺を止めることができなかったという過去があった。

少年を助けるのには、その時の後悔と償いの念が込められたものだった。

春ちゃんずいぶん回復したんだな…良かったなぁ

元気な声が聞けただけで、田村は心底喜んだ。

田村との電話を切った後、春彦はデパートの制服売り場で母親と買い物をしていた。
この春から着る学生服の試着をし、サイズを確認する。

春彦の母親と店員のやりとりを横目に、春彦が売り場のフロアを歩いていたその時、猛スピードで走ってきた輪とぶつかってしまった。

春彦は病弱で線は細いが、高校2年になる年齢。
小学生の輪はその体格差から、勢い余って転んでしまった。

「んなとこで突っ立ってんじゃねーよ!」
がばっと起き上がった輪。

「ごめんね、大丈夫?ケガしなかった?」
春彦は小さな輪を見下ろして気遣った。

輪は、春彦を見て目を丸くして固まった。

そこへ
「輪くん…そんなに急がなくても…」
輪のダッシュについていけず、息を切らしたありすが現れた。

春彦は、ありすにも輪にぶつかってしまったことを詫びつつ、丁寧に頭を下げてその場を後にした。

輪と同じ様に、ありすもまた、春彦を見て目を丸くして固まった。

なんだかあの男の子…
紫苑さんみたい

ありすが夢で見た、紫苑の生き写しかと思うほど良く似ていた。

輪はありすの様子を伺う様に言った。

「ありすは、あーゆー感じのやつが好みなのか?」

ありすは、ドキッとした。
以前、同じ様なことを問われ輪を怒らせた結果、事故に至ってしまった記憶がフラッシュバックした。

言葉のチョイスを誤ると、前みたくなっちゃうかもしれない。
ありすは慎重になった。

「ちょっと外国の人っぽいから…みとれちゃっただけ」
「別にいいぞ、ハッキリ言っても。オレ怒んないぞ」

じっと見つめられ、もう一度「あーゆーの好みか?」と問う。

ありすは、考える様に…「少し…好みかなぁ?」と言葉を濁した。

輪は、ふ〜んとだけ言って目を伏せた。

それからというもの、買い物の間ずっと輪は黙り込んでしまった。
ありすは色々と輪に話しかけたが反応はイマイチだった。
買い物を済ませ帰ろうとした時、輪の足が止まった。

俯いたまま動かない輪は

「オレ…」

「ありすと同い年で生まれたかった」

「こんなガキじゃヤダ…ヤダよぉ」

ボロボロ涙をこぼしていた。


柊・秋海棠・紫苑・繻子蘭
心あたりあれば連絡下さい。
こちら玉蘭・木蓮・槐です。
〒◯◯◯〜〜〜〜〜〜

一成が、都市伝説系オカルト雑誌“BOO”の掲示板の欄に載せたメッセージに反応があった。

ヒイラギ繻子蘭シュスランであるという人物から手紙が届いたのだ。

一成は急いで迅八に電話をかけた。

「柊は土橋大介って名前で、川崎にいるんだ!繻子蘭は国生桜って名前で横浜にいる!
今度みんなで会おうって!!」

迅八は興奮した。

玉蘭

木蓮

繻子蘭

この5人が揃うなんて!!本当にいただなんて!!!!

「すごいぞ!!!」

ここまでのお話は
ぼくの地球を守って(文庫版)第一巻より、お伝えしています。

ぼくの地球を守って 感想と思うこと

覚醒後の輪くん変貌によるシリアスゾーンと、迅八たちが月の仲間を本気で探し始めたわくわくゾーンが入り混じり始めました。

これ、初見だったころの自分を思い返すと、この辺りから超混乱して(伏線の回収を求めて)続きが気になり過ぎて、ものすごい勢いでのめりこんで単行本を読破した記憶がありますが

月刊誌で連載していた当時、輪くんの悪さ加減に「輪くん嫌い!」という読者が続出したとか…?

ラストまで何度か読み返した現在の心境でいうと、知っているからこその「同い年じゃなきゃやだ」と泣いちゃう輪くんとか、人を傷つけてでもやり遂げたいこととか。

【ぼくの地球を守って】このタイトルが意味するところは?という…ね。

文庫版第一巻に掲載されている扉絵コレクションにて掲載の

地球を
守りたいんだ…

と、輪くんが草原で地球を抱きしめる様に眠る姿とか、なんかマジで涙出ますもんね。ぜひ見ていただきたいです。

つづきは↓こちらです
ぼくの地球をまもって あらすじ~vol.4~ ときどき感想

スポンサーリンク
七色便り綴り人
なな

北海道生まれ、田舎育ち、東京暮らしを経て現在長野在住
気の向くままに
明日もしかしたら誰かの役にたつかもしれないことを
色々綴っています。

特にスピリチュアルな人間ではなけど、神社を好みます。
(お手伝い程度、巫女経験あり)
神様と対話ができる方を羨ましく思う今日この頃。

ななをフォローする
エンタメ
ななをフォローする
七色便り
タイトルとURLをコピーしました