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ぼくの地球を守って あらすじ~vol. 14~ ときどき感想

ぼくの地球を守ってあらすじ14 エンタメ
この記事は
都市伝説系のお話しがお好きならばきっとハマる名作漫画【ぼくの地球を守って】のストーリーの書き起こしです。漫画の世界観を(なるべく)壊さず辿る、浸れる読み物になるよう綴っています。
なな
なな

ぼく地球をまだ1度も読んだことがない方、ネタバレNGな場合におかれましては一刻も早くこの記事を離れて、【ぼくの地球を守って】正規の単行本をぜひともご覧ください!

この記事は、↓vol.13からの続きとなります。

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ぼくの地球を守って あらすじ(ネタバレあり)~vol.14~

彼女がこの地球にいきてさえいてくれればいいんだ
だから全身全霊をかけて守る
己に残された一つの真実故に
たどり着きたかった心の場所さえ少年は拒絶するのか

ぼくの地球を守って第六巻表紙

僕の地球を守って6

紫苑side~格差~

月基地へ派遣される7人のメンバーが決定した。

シオン
ギョクラン
シュウカイドウ
ヒイラギ
エンジュ
シュスラン
モクレン

最後の一人はキチェ=サージャリアンだった。
人生で初めて出会ったキチェスにシオンは圧倒されて言葉を失った。

額に赤い四つの印を持つキチェス
現れた瞬間、空間の空気が変わった

この世のものとは思えぬ美貌と英知、才覚、そして魅力が溢れていた。
サージャリムが本当にいるのであれば、まさに彼女だと言わんばかりに輝いて見えた。

さらに驚いたのは
ただでさえ希少で国宝扱いされるキチェスである彼女が、月基地への派遣員になったのは本人の希望であるということだった。

国は彼女の派遣に断固反対との意を示したが、モクレン本人が行くと決め込んで動かなかった。

「無理に頼み込んだ様な形になってしまいましたが、絶対行くって決めていましたの。」

夢だったと満面の笑みで語る彼女に、シオンは心とは裏腹に微笑みで返した。

オレは国からの命令で、仕方なく行くんですよ…


月基地での生活が始まった。

最先端技術のトップにいたシオンにとって、月基地の設備はあまりにもレトロなものだった。

「全てを改造してやる!」とやっきになるシオンの元に、メンバーはその技術を当てにして頼りまくる始末で、シオンは誰よりも身を粉にして働いた。

気の休まる暇のないシオンに、さらに追い討ちをかける存在がモクレンだった。

キチェスってやつは、こういうものなのか…?

シスターリアンからキチェスに関しての情報はかなり叩き込まれてきたシオンだったが、ある日、平気でシオンの前で全裸で歩き回ったモクレンに対して

「裸体がモットーなの?」

と冗談半分に素朴な疑問を投げた。
が、その通りだということだった。

モクレンはキチェスだけを集めて養育する楽園パラダイス生まれ、楽園パラダイス育ちであるがゆえ、一般の常識の枠を逸脱した行動を取ったことに恥を覚え、注意が至らなかったと謝罪した。

モクレンは両親共にキチェスだった。

キチェスとは処女童貞が必須の前提条件であり、モクレンの両親は共にキチェスを降りて(放棄して)モクレンが誕生した、ということになる。

キチェスは情事後、額にあるキチェスの証しが消え、サーチェスパワーも失う。

ただでさえ減少傾向にあるキチェスは、簡単に恋をすることが暗黙の了解で許されてはいない。
キチェス(人間国宝)を失うことに繋がるがゆえ、国からも、周りの目も厳しいものがあったはずだ。

楽園パラダイスでモクレンの両親は愚行に走ったという扱いだっただろうか…

楽園パラダイスで出会った最高に恵まれた男と女が、楽園パラダイスで禁断の恋に落ち、結ばれて誕生したキチェスのサラブレッド、モクレン。

彼女の様なキチェスが、至上の楽園に招かれるのだろうか…?
至上の楽園…そんなものが存在するのだろうか…?

ー オレとは次元の違う世界 ー

男衆がモクレンを特別扱いすることも、地球言葉の発音で名前を呼んでくることも、できもしない夢物語な発言の数々も苛立ちを募らせる種となり、シオンはモクレンにキツく当たることが多くなっていった。

そんなある日
シオンは面と向かってモクレンに、これでもかと言わんばかりに腹のうちをぶちまけたことをきっかけに、モクレンのサーチェスパワーが大暴走した。

基地内の植物繁殖

シオンに言われたことがあまりにもショックだったモクレンは、元気を出すために歌った。
そして、基地内全てが植物で覆い尽くされてしまった。

基地での通常業務は完全にストップし、数日間は全員で除草作業に追われた。

やっとの思いで改造を施した機械内部まで繁殖した植物に、シオンは以前にも増してモクレンへの当たりが強くなった。

モクレンは、泣きながら夜通し一人で除草作業をしていた。

「君に作業をさせたまま眠れないよ」

ギョクランがモクレンの元へ手伝いにやってきた…というのは建前で、ギョクランはモクレンに魅かれていた。

「誤解してほしくないんだ、紫苑なんだけど悪いやつじゃないから。君にキツイこと言ったりするけど」

シオンを庇うフリをして自分の株をあげるギョクランの戦法やり方に、陰で二人の様子を伺っていたシオンはカチンときた。

ー あいつ…ッ!! ー

紫苑side~閉ざされた月基地で~

ギョクランはモクレンへの胸の内をシオンに打ち明けた。

この恋ばかりは罪であるという認識があるがゆえ、切なさは積もる一方で足踏み状態のまま先に進むことができないでいるギョクラン。

シオンは『勝手に言ってろ気色悪い…』と思いつつ、男女の関係について思考を廻らせている自分がバカバカしく思えた。


月基地での植物大繁殖事件による除草作業は、1度や2度で済まなかった。

シオンがモクレンに特別キツく当たった後もそうだが、チームメンバーがホームシックになった時など彼らを慰める術として、モクレンは歌った。

空気のない月
長い期間派遣員として選抜された彼らは、基地内部だけという閉ざされた空間の中で、いつしか心の安らぎを取り戻せる手段が、モクレンの歌やモクレンの存在と言っても過言ではなくなっていた。(シオンは除く)

月基地でのミッションをこなしながら、大繁殖した植物の除草作業が7度目になったころ

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シオンは除草作業を進めながら母星シアから届いていた緊急情報に気がついた。

それは、月基地のメンバーにとって深刻な内容だった。

ー 緊急情報。戦争深刻化、緊張状態 ー

ー 緊急情報。シアが戦争区域に入った ー

あの平和だった母星シアで戦争…?!

誰も予想だにしなかった。

シオンは眠らずに続きの情報を待ったが、惑星シアからの電波は途絶え、最終的に惑星シアの磁場が無くなった。

全員が、最も考えたくない結果を事実として受け入れるほか無くなった。

ー 全滅 ー

友人も家族も、還る母星ほしも一気に失った。

何かの間違いではないのだろうか?
何度確かめても計器は役に立たないのに、みんな必死でいじくった。
あまりのショックの大きさに、全員精神的に参って放心状態となった。

こんな時、シオンは自分がショックに慣れていることを再認識した。

見渡してみても周りにまともに話せる相手がいないのだ…

「紫苑」

声をかけられてハッとした。

「…お茶、いかが?体が温まりますわ…」

モクレン!?

髪は乱れて顔色も悪い、やつれて見えたが彼女だけが今、会話を交わすことのできる唯一の相手だった。

シオンはモクレンが言っていた夢物語を思い出した。

ー 地球の大気になりたい ー
ー『地球へ降りたい』ー

「そうだよ、気が付かなかった【地球】だよ!!」

希望が見えた。
シオンは助かる確信に満ち、みんなに地球へ降りることを提案した。
還る惑星ほしを失った我々は、残すところ地球に降りる以外に命を繋ぎ、紡ぐための手段が残されていないのだ。

だが、地球へ降りることが第一級犯罪とされていたため、チームの全員が賛成はしなかった。特に、ギョクランとチームリーダーのヒイラギが断固反対した。

危険思想であると判断され、シオンは独り拘束隔離されることとなった。

紫苑side~果たされた望み~

シオンの拘束を提案したのはギョクランだった。

モクレンにみんなを説得する様に迫ったこと
地球に降りるシャトルを動かすために必要な個人情報(キィ・ワード)をメンバーに脅迫まがいに聞き出そうとしたなど、独裁主義だという言い分だった。

シオンは更生するまでの間、幽閉生活を余儀なくされた。

鍵を締め、立ち去ろうとするギョクランの背中に向かって
シオンは自覚させたかった事実を吐いた。

「お前が目指すのは光だけが存在できる世界か!!
てめぇの影だってあるんだぞ!!
オレはお前の影の部分の塊だからな!!

お前がしたくて
出来ないことを
みんなやってやる!!」


内部分裂をしている場合ではない非常時の今、モクレンはシオンに譲歩を促すも、シオンに引く意志は無かった。

日が経つにつれ、シオンの知らぬ間にチームの中で「流石にやりすぎではないのか」と、今度はギョクランの立場が危うくなり始めた。

モクレンはシオンに再度、譲歩を求めた。

「ギョクランが孤立しつつあるわ、あなたと和解さえしてくれれば事態は総て良くなると思うのだけど…」

ギョクランを助けるため…?
…本命はギョクランか。

シオンは巧妙にモクレンに【取引】を持ちかけた。

「君が強く望むなら考えないでもない。ギョクに対して譲歩してもいい」

ただし

紫苑の交渉

シオンにとって、この取引が成功すればギョクランへの一番の報復になる。
そう考えていた。

モクレンは、3日考えた上でシオンの申し入れを承諾した。

モクレンはシオンが言った一言「君を愛している」を信じ、その身を差し出した。


モクレンは高熱を出し、床に伏せった。

ギョクランはシオンに対して殺意を剥き出しにして怒り狂った。

聖人君主気取りの化けの皮をはいでやった、この顔が見たかったと言わんばかりにシオンは喜んだ。

「ざまあみやがれ!!」

シオンは
ギョクラン、そしてサージャリムにも勝った気がしていた。

紫苑side~消えない印~

この一件で、シオンはチームメンバーから軽蔑され、排斥処分になりかけていた。

シオンに許しを乞う気はなかった。
仲間に入れてほしい訳ではないし、ギョクランへの報復の望みは果たされた…はずだったのに、なぜか心に重苦しさが残ったままだった。

「悔しいなら不幸になっちゃダメだぞ、絶対だ」

シオンはラズロの言葉を思い出していた。


熱の下がったモクレンの口から出た言葉に、チームの誰もが驚いた。

『私から紫苑に抱かれに行った』
『私たちは婚約した』

あの・・状況下においてそんなはずはないと誰もがモクレンの言い分を信じなかった。

確認のため、シオンの前に現れたメンバーとモクレン。

モクレンの姿を一目見たシオンが固まった。

キチェが…
キチェが消えてない…?

「もう大丈夫よ、私から全部本当のことを言ったから。私たち婚約したのに、でも誰も信じてくれないのよ。貴方からも皆に言って頂戴、私たちはもう夫婦だって」

モクレンの言葉で、シオンは長かった幽閉から解放された。
そして夫婦だと豪語するモクレンに促され、二人は一緒の部屋で生活をすることになった。

シオンを迎え入れたモクレンは笑っていた。

オレが怖くないのか…?
どうしてオレを許せるんだ…

「オレはキチェスなんてのは大嫌いだった。あんたの純潔を奪ったのも報復のつもりさ」

シオンは堪らず、モクレンに本音を漏らしはじめた。

「オレは余裕のあるやつらに期待していたんだ」
ー おこぼれを ー

「余裕のあるやつらからなら分けてもらえると…」
ー キスを ー

話しながら、シオンは自身の本当に望んでいたモノがなんだったのかに辿り着いた。

オレはただ
家族のフリをしてくれるやつが欲しかった

モクレンはまっすぐシオンの目を見て言った
「貴方は私の恩人よ、神の力を借りた手ではなく一人の人間として必要としてくれる」

嘘だ…
あんたはギョクを
愛している

シオンはこの時初めて神の存在を心底認めた。

シオンの惨めで醜い想いをぶちまけた行為に屈せず、額のキチェは消えなかった。

君は間違いなく
聖なるサージャリアン…

ここまでのお話は
ぼくの地球を守って(文庫版)第6巻より、お伝えしています。

ぼくの地球を守って 感想と思うこと

ここまで
前世を夢で見続けている輪くんと共に、読者として紫苑の記憶を一緒に辿らせてもらっていったわけなのですが

これ、8歳の子供が見せられる夢としては酷すぎやしませんかね?

あらすじでは省きましたが
成人してる大人が見たって、結構辛い描写があるっていうか。
ねぇ…( ´Д`)

輪くんはかなり早い段階から紫苑が木蓮を傷つけたことを知っている様子でもありましたし、この辛い過去の記憶を夢に見たのは1度だけじゃないはずで

愛に飢え続けて
欲しかったものに素直になれた時に
自分の罪が足枷となって
木蓮の言葉を信じることができず

今世でも引きずり続けている

って…

やっぱり8歳の子供が背負うには

( ´Д`)悲しすぎるYo!!

つづきの
ぼくの地球を守って あらすじ~vol.15~ ときどき感想
ただいま準備中です。

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七色便り綴り人
なな

北海道生まれ、田舎育ち、東京暮らしを経て現在長野在住
気の向くままに
明日もしかしたら誰かの役にたつかもしれないことを
色々綴っています。

特にスピリチュアルな人間ではなけど、神社を好みます。
(お手伝い程度、巫女経験あり)
神様と対話ができる方を羨ましく思う今日この頃。

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