出雲大社を訪れる際、祀られている神様のことを知っておくと参拝がもっと楽しく有意義になる“わかりやすい神話シリーズ” 第三弾です。
神話シリーズ第一弾 伊勢神宮参拝前に知っておきたい神話
神話シリーズ第二弾 出雲大社参拝前に知っておきたい神話(スサノオ物語)
を先にお読みいただくと、こちらの物語がよりおもしろく理解できます。
よろしければご確認下さい。
出雲大社の御祭神である大国主大神様。
彼が行った偉業なくして、今の日本は成り立つ事がなかったと言っても過言ではない!
というほど、まさしく国をお造りになった神様の物語。
ヤマタノオロチを倒したスサノオ
その
息子の息子の息子の・・・6代目がオオクニヌシです。
因幡の白兎
〜はじめに〜
オオクニヌシは、その名を初めは『オオナムジ』といいました。
付いてきてください、ヨロシク。
ってことで、最初はオオナムジということで話を進めていきます。
〜はじまり はじまり〜
オオナムジには八十人の兄がおりました(八十神といいます)
その兄達は面倒なことをすべてオオナムジにおしつけ、自分たちは楽をする
そんなちょっといじめっ子気質な兄達でした。
ある日、因幡に美しい八上比売という姫君がおられるという噂を聞いた八十神は、姫に結婚を申し込もうと因幡を目指して旅に出ることにしました。
オオナムジは、八十神の荷物持ちとして同行させられました。
むむむ((((。(´°Α°`)。))))
重い荷物を背負って兄達の後を追うも、かなり遅れを取ってしまいます。
先に歩いていた兄神たちは、浜辺でウサギが倒れているのを見つけました。
ウサギは体の皮がボロボロに剥がれた大怪我をしていました。
(。≧ω≦)痛いよ〜
兄神たちは、根っからのいたずら好き。
「海水に全身を浸してから崖の上で風に当たっていれば傷は治るよ」
と、真っ赤な嘘をウサギに伝えて先を急ぎました。
痛いヾ(゚Д`;≡;´Д゚)ノ゙ 痛い
そこへ、遅れて通りかかったオオナムジ
ウサギは、どうしてこのような怪我をしてしまったのか
オオナムジに今までのいきさつを話し始めました。
サメを騙したんだ・・
「ウサギ一族とサメ一族、どっちが多いか数えよう!」
でも最後にバレちゃって、サメに皮をはがされちまったんだ・・
イテテテヽ(´□`。)ノ・゚
オオナムジはウサギにこう言いました。
それから蒲の黄を敷いた上に寝転んだら傷は癒えるよ
ウサギはオオナムジの言う通りにしました。
すると、傷だらけで痛々しかったウサギの体は、きれいさっぱり元どおりに治ったのでした。
どうもありがとう〜
んじゃ、行くわ〜
このことから、オオナムジは医療の神様とも言われるようになりました。
八十神の陰謀から逃げのびて根の国へ
一方、八十神はお目当の八上比売の元へたどり着きました。
八十神様、でございますか・・・
八上比売を前にすると、八十神たちは口々に愛の言葉をささやき求婚しました。
が・・
わたくしが嫁ぐお方は、オオナムジ様です!
と突然言いました。
それを聞いた八十神は、当然面白くありません。
怒り狂い
「なぜ、オオナムジだ!」
「オオナムジがこのように美しい姫を嫁にするなどけしからん!」と
オオナムジに殺意さえ抱くようになったのです。
八十神たちはオオナムジをあの手この手で襲うようになりました。
そんなオオナムジに助けの手を差し伸べたのは、木国のオオヤヒコという神でした。
「オオナムジ、そこの木の根本にある穴へ入り【根の国】へ逃げるのじゃ。
根の国に住まう大神こそ、そなたの大いなる力になってくれようぞ」
そう言って、八十神に追われたオオナムジをかくまい、逃しました。
根の国に住まう大神、その名は
何も知らずに根の国にやってきたオオナムジ。
その国で、スサノオの娘であるスセリヒメとばったり出会い、いきなりお互い一目惚れ!
恋に落ちました。
お父様!とっても素敵なお方と私一緒になります!
そこで現れたのが、はい
これはこれは、英雄スサノオ・・様ッ
ほう・・これはなんとも葦原の色許男だな。
(※葦原の色許男=強い男、男前という意味
ここから、オオナムジの名前は『アシハラシコオ』に変わります。)
スサノオからの試練
アシハラシコオが娘と一緒になることに納得いかないスサノオ。
アシハラシコオが嫌がりそうな試練を与えて追い払おうと思いました。
スサノオからの試練1
〜蛇だらけの寝室で眠れ〜
(ま、大丈夫だろう)
耐えていると、スセリヒメが助けてくれるのでした・・
んで、なんなくクリア!
スサノオからの試練2
〜ムカデと蜂だらけの寝室で眠れ〜
んで、なんなくクリア!
連日嫌がらせのような試練が続きましたが、スサノオは次こそ結婚を諦めさせようと生死に関わる試練を与えました。
スサノオからの試練3
〜火の海地獄を耐え生きよ〜
そう、アシハラシコオに命じ広い野に一本の野を放ちました。
矢を取りに走ったアシハラシコオ。
スサノオは野原に火を放ち、全てを焼きつくそうとしたのです。
さすがにこの試練は危機一髪!
でしたが、アシハラシコオは戻ってきたのです。
スサノオからの試練4
〜シラミ取り〜
俺の頭に付いたシラミを取れ
アシハラシコオがスサノオの頭をのぞき込むと
(また気持ち悪い事をワザとしてくれちゃって・・)
アシハラシコオさま、これを口に含んで吐き出して下さい。
アシハラシコオは言われた通り、渡された“むくの木の実”と“赤土”を噛み砕き吐き出しました。
吐き出されたものを見て
なかなか大したヤツじゃないか。
と、勘違い!
そうして、スサノオは安心して眠ってしまったのでした。
スサノオからの大脱走
スサノオが眠りについた時
大チャンスなんじゃ・・
スセリヒメ、今のうちに逃げるぞ!
アシハラシコオは、スサノオの長い髪を木に結びつけ動けないようにし
大岩で部屋の扉を塞ぎました。
そうして根の国のお宝(生弓矢、生太刀、天詔琴)を持って、スセリヒメを背負い、アシハラシコオは一目散に走りました。
飛び起きたスサノオ
アシハラシコオとスセリヒメが逃げたことを知り
急いで後を追いましたが時すでに遅し!
追いつくのは無理だと判断したスサノオはアシハラシコオに向かって大声で叫びました。
そして、俺の娘のスセリヒメを正妻としろ!!
出雲の山に千木を高く掲げ立派な宮殿を建てやがれ!!
そして・・お前は、今日から
スサノオは、娘の婿だと正式に認めたアシハラシコオに
【偉大な国の主】という意味のある【大国主】という名を与えたのでした。
オオクニヌシの国作り
オオクニヌシは国を発展させるため、たくさんの子供を作る必要がありました。
その為、どこぞやの地に美しい姫がいると聞けばその地に訪れ
その姫の家の前で恋の歌を歌ったりしました。
で、
忘れてはならない
ヤカミヒメ
スセリヒメ
オオクニヌシの妻である彼女達はオオクニヌシの行いに、悲しんだり怒ったりと
まぁ、だまっちゃいないのですが・・
オオクニヌシはそんな妻にむかって恋の歌を歌い、なぐさめるのでした。
(それを聞いて、オオクニヌシを惚れ直しちゃったりするんです。)
この様に、恋を歌で語り合うことを『神語』と言いました。
神語の風習は万葉集、風土記などでもよく見られます。
やがて日本は『歌の国』と呼ばれるほどたくさんの名歌を残し、そして発展していったのでした。
それだけではなく、オオクニヌシはたくさんの神の力を借り
葦原中国を
水が豊富に湧き出て、緑が元気に生い茂り、稲が黄金に実る輝く国に作り上げ
『豊葦原の瑞穂の国』と呼ばれるまでに成長させ、国作りを完了させたのでした。
オオクニヌシは出雲大社のここにいた
オオクニヌシはご自身で作られた国を天照大御神に国譲りしますが、国譲りの際にご自身が住む宮殿を作って欲しいと願い出て、現在、出雲大社の御本殿に祀られています。
国の発展、繁栄に大いに貢献するため
恋多き神様であり、子宝の神様とも呼ばれた大国主大神様。
ご縁を結ぶ神様として出雲大社には多くの参拝者が訪れます。
また、因幡の白兎を助けた神であり
出雲大社には多くのウサギがいます。
ウサギ達が、大国主大神様にむかって手を合わせる姿なども見られます。
そして、大国主大神様が祀られている出雲大社の御本殿、真後ろにはスサノオ様が祀られた素鵞社があります。
そのたたずみ方は・・
まるで、オオクニヌシを見張る様でもありますが・・w
元々はオオクニヌシの親神でもあるスサノオ。
きっと、あたたかくそのたたずまいを今日も見守っている事でしょう。