出雲大社を訪れる前に、祀られている神様のことを知っておくと参拝がもっと楽しく有意義になる“わかりやすい神話シリーズ” 第二弾です。
(神話シリーズ第一弾 伊勢神宮参拝前に知っておきたい神話を先にお読みいただくと、こちらの物語がよりおもしろく理解できます。
よろしければご確認下さい。)
お伊勢さんと呼ばれる伊勢神宮に祀られている天照大御神の兄弟神である須佐之男。
父であるイザナギの言う事を聞かず
姉であるアマテラスに多大なる迷惑をかけ
あげく、国を追放されることになってしまいました。
彼の冒険は、ここから始まります。
スサノオの冒険
スサノオは国を追い出され、空腹と闘いながら歩いていました。
ある川にさしかかった時
川の上流からお箸が流れてくるのを偶然見つけました。
行ってみるか~
どうやら人が住んでいそうだという場所へ、スサノオは向かうことにしました。
川上へ向かって進んでいくと人の気配がありました。
お~い!
スサノオは、そこにいた夫婦とその娘に声をかけました。
でも、そこで出会った夫婦と娘は悲しそうな顔をして泣いていました。
どうかしたのか?
お父さんが答えました。
お母さんは過去の辛かった話をしました。
娘は涙ながらに言いました。
ヤマタノオロチは私を食べるために間もなくやってきてしまいます。
幸せだった家族は、毎年ヤマタノオロチに襲われる恐怖に追われ
残るクシナダヒメも、もうすぐ食べられてしまうことに打つ手がなく泣いていたのでした。
あ、そうだ。
お前、クシナダヒメ、、だっけ?
俺がオロチ退治すっから、そしたら俺の嫁になってよ。
お名前も存じ上げないのにっ
姉ちゃんがアマテラス。
(身分の高いお方だったとはっ!)
あ、お義父さん!さっそくだけどさ、
すっげーアルコールの強い酒をたくさん用意してもらえる?
こうして、クシナダヒメを娶る話がとんとん拍子に進み(?)
アシナヅチとテナヅチに手伝ってもらいながら、スサノオはヤマタノオロチを退治する準備に取りかかったのでした。
ヤマタノオロチをやっつけろ!!
日が暮れて、夜の闇に包まれたころ・・
大きな山の向こうから、ものすごい地響きと共にヤマタノオロチはやってきました
・・・ん?
なんだ?うまそうな酒の匂いがするぞ
ヤマタノオロチはスサノオの策略通り、ものっすごい強いお酒を8つの頭で美味しそうにガブガブ飲み始めました。
そうして、眠ってしまったヤマタノオロチ。
すかさずスサノオはチャンス到来!とばかりに持っていた剣をふりかざします。
里の人に悪さをするヤマタノオロチを成敗してくれる!
そして、ヤマタノオロチの8つの頭を切り落としました。
さすがのヤマタノオロチも頭を切り落とされてはひとたまりもありません。
完全に、スサノオの戦略の圧勝です。
スサノオは最後に、ヤマタノオロチの尻尾を切り落としました。
するとそこから何か光るものが出てきました。
スサノオがそれを抜き取ると、眩く光を放つそれはそれは見事な剣でした。
※この剣は、のちに「草薙剣」と呼ばれ三種の神器の一つとされています。
英雄スサノオの誕生
ヤマタノオロチを見事に退治して見せたスサノオ。
かつては姉のアマテラスを困らせ、追放されてしまうほどヤンチャだった彼も
人の命を立派に救う英雄として君臨しました。
そして、クシナダヒメを妻とし
出雲の須賀へやってきました。
ここに住もうじゃないか!
そして宮殿を建てそこに住まわれることになりました。
スサノオが読んだとされる歌
八重垣作る その八重垣を
〜幾重にも重なった八重に湧き上がる雲が八重垣となる出雲の地で、妻と一緒に住む〜
と訳され
まさに、スサノオがクシナダヒメを妻とし新居を求めていた際、雲が立ち上がる様子を見てこの歌を残されたんだとか。
日本最初の和歌として、万葉集、古今和歌集に受け継がれています。
出雲大社でスサノオはここにいた
出雲大社を参拝される際、英雄スサノオが祀られているのはこちらです。
御本殿の奥に佇む素鵞社におられます。
スサノオ物語 さいごに
この物語に登場した
- 須佐之男命
- 櫛名田比売命(稲田比売命)
- 足摩槌命
- 手摩槌命
日本国の底力をあらわす英雄、スサノオ。
島根を訪れた際にしっかりご挨拶、感謝をお伝えしてきましょう!