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ぼくの地球を守って あらすじ~vol.6~ ときどき感想

僕の地球を守って あらすじ6 エンタメ
この記事は
都市伝説系のお話しがお好きならばきっとハマる名作漫画【ぼくの地球を守って】のストーリーの書き起こしです。漫画の世界観を(なるべく)壊さず辿る、浸れる読み物になるよう綴っています。
なな
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ぼく地球をまだ1度も読んだことがない方、ネタバレNGな場合におかれましては一刻も早くこの記事を離れて、【ぼくの地球を守って】正規の単行本をぜひともご覧ください!

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ぼくの地球を守って あらすじ(ネタバレあり)~vol.6~

なれし故郷を放たれて夢に楽土求めたり
前世と今世を結んだ邂逅かいこうは激しい愛憎を呼び
七人の運命の輪は再び回り始める

ぼくの地球を守って第二巻表紙

僕の地球を守って2
この記事は、↓vol.5からの続きとなります。

テレパシスト

「春が消えた!!」

田村が春彦から
話を聞こうとした矢先の出来事だった。

目の前にいた
確かにいたはずの春彦は、忽然こつぜんと姿を消してしまった。

何が起こったのかまったく分からず焦るに焦った田村だったが、とにかく春彦をすぐに見つけ出さなければならない、直感でそう思った。

あの状態の春彦を、一人にしてはならない。


そのころ、ムーンドリーム上で親友同士だった一成(エンジュ)と桜(シュスラン)は、会合とは別で二人で落ち合い、恋バナを繰り広げた帰り道だった。

川沿いの堤防の上を歩いていたその時、川を見つめている青年がいることに気がついた。

「何?あの人…」
「…日本人かな…東南アジアの方の人かもね」
「ねぇ、もしかしてパジャマ姿なんじゃ…」
「それに、あれ…裸足だよ」

まさかね?と二人が顔を見合わせた瞬間、鳴り響いた水音と共に青年の姿が無くなっていた。

「うそっ‼︎身投げ…!!」

桜は大声をあげて助けを呼んだ
一成は走り出し、川へ飛び込んだ

シュウカイドウの償い

…え…?

一成は溺れかけている青年が、耳馴染みのある名前を呼んだ…様な気がした。

キィ・ワード

ー 月基地 ー

歌が大好きな木蓮は、地球の気に入った歌を柊に翻訳してもらっていた。

「『なれし故郷を放たれて 夢に楽土求めたり』まぁ、私達のことね」

木蓮はいっそうこの歌への思いが高まった。

「まさか木蓮、また植物に合唱させちゃう気じゃないだろーね?除草作業を手伝わされるのはご免だからねww」

秋海棠は冗談まじりに言った。

「ご安心ください、私もこれ以上紫苑にしかられたくはありませんから」

木蓮は肩をすくめた。

木蓮が歌うことは植物が爆発的に成長を促されることを意味し、ストレス発散のため、つい歌ってしまった木蓮の失態により、植物まみれになった基地内を全員で除草する作業に追われることがたびたびあった。

紫苑はコンピュータの故障に繋がるこの事象を簡単に許さなかった。

「まったく紫苑のやつ。何もあんなに木蓮を怒らなくたってよさそうなものを…」

木蓮に惚れ込んでいた玉蘭は、紫苑の風当たりが木蓮に対してキツすぎることがいたたまれなくなり、いつも木蓮を庇った。

男なら、木蓮に出会っただけで誰もが惹かれてしまう…はずだが、紫苑は例外だった。

秋海棠は紫苑とコンピュータールームで二人だけの時に素朴な疑問をぶつけた。

「紫苑、君はなんだっていつも木蓮にキツくあたるんだい?ハタから見てると彼女が気の毒になるよ」

紫苑の口からは木蓮に対しての悪態がこれでもかと言わんばかりにズラズラでてきた。

「君らと違ってオレはあの女が嫌い」
「ついいじめたくなる聖母ヅラ」
「クシャクシャにしてやりたい顔」
「あの女と話してると胸がムカムカしてくる」
「『地球の大気になりたい』だ?バカバカしい!」

木蓮は、そんな紫苑に対しても歩み寄ろうと、紫苑の言葉を借りればまさに聖母の様な女性だというのに…
そういう個性のやつもいるもんなんだなと、秋海棠は驚いた。

「キィ・ワードの書き替えが終わったら呼びに来てくれ」

言い残して紫苑はコンピュータールームから出て行った。

定期的に行われるキィ・ワードの書き替え
帰星するまで、もう替えることがないと思うから忘れそうにないフレーズを考えろと紫苑に念を押されたため秋海棠はどうしようかと考えていた。

そうだ…さっき木蓮が気に入っていたあのフレーズ…

【ユ・メ・ニ・ラ・ク・ド・モ・ト・メ・タ・リ】

それぞれの思い

ユ・メ・ニ・ラ・ク・ド・モ・ト・メ・タ・リ…

夢が遠ざかっていく

春彦が目を開けた先には田村がいた。

「…春ちゃん、俺がわかるか?」
「…田村さん…」

気がゆるんだ田村は自身のこぼれた涙をグイッと拭い、7年前に自分の弟が春彦が飛び込んだ同じ川で自殺したことを明かした。

泣き崩れて言葉にならない春彦に向かって、田村は続けた。

「春ちゃん、俺はもう何も訊かねぇことにしたよ。だが、俺は絶対に諦めねえ。春ちゃんが自分から話してくれるのを信じて待ってるからな」

春彦は、自分の罪を知ったら田村に軽蔑されると少しでも思ってしまった自分自身を心底恥じて嗚咽した。


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春彦が川に飛び込んだ現場に居合わせていた一成と桜だったが、結局のところ一成も一緒に溺れて駆けつけた田村に助けられる形となった。

なんの役にも立つことは無かった2人だったが、田村は丁寧に頭を下げた。

「本当にどうもありがとう、何度お礼を申し上げても足りないくらいです。後ほど改めてお礼に伺います。」

一成は助けられたのは自分だと恐縮しまくっていた。
車で送るという田村の申し出を丁重にお断りして、その場を後にした帰り道、一成は桜に気になっていたことを話した。

「助けようとして飛び込んだ後、水中で『紫苑』って言った様な気がしたんだよね、あの男の子。それにさ〜紫苑っぽくない?」

桜は、確かに紫苑に似ていると思ったが、あの状況で本人が自分の名前を口走るのはおかしいと、一成の言いぶんを軽くあしらった。


田村は考えていた。
春彦の身に何が起きているのか。

常識の範囲を越えている
消えて別の場所へ行ける能力…

観念をとっぱらって考えろ
あのガキSが見せた不思議なチカラとよく似ている…

田村の勘は鋭かった。

根拠なしの考えかもしれないが、春彦とSは知り合いなのかもしれない。

春彦とSの関係性、タカシ坊ちゃんがSに狙われる理由
どちらにせよSを知る必要がある

どうしたらSに会える?

どうすれば…??


ありすはクラスメイトに誘われるがまま合唱部に入部した。
歌に興味があったこともあるが、何よりムーンドリームの会合に行けない口実が欲しかった。

自分が秋海棠であると告白したあの日から、輪は急に大人っぽくなった。
まるで、バレちゃったから子供のフリをすることをやめるとでも言わんばかりに。

ありすは輪が覚醒したのがベランダからの落下事故の直後からだということに、やるせない気持ちでいっぱいだった。

大切な子供時代のはずなのに、前世の記憶があるせいで急激に大人になってしまった輪。
ムーンドリームを見ることによって、こんなにも現実が変わってしまうのか。

初めのうちはムーンドリームの仲間になりたいと憧れていたありすだったが、次第に夢が現実に与える影響が怖いと無意識の中で感じる様になっていた。

あたし、やっぱり木蓮さんじゃない
だから会合には行かない
…行きたくない…

毎日の様に迅八から電話が来るも、居留守を使ってムーンドリームを自ら避けていた。

そんなありすとムーンドリームを繋ぎ止める唯一の相手が輪だった。
お隣さんで、婚約者となった輪を避けることはできなかった。

輪はありすに婚約を迫った理由を

「ボク(秋海棠)は長いこと木蓮に憧れていたし、君と紫苑の間柄にはひどく嫉妬していた」

と打ち明けて

「君は木蓮だよ」

と言い切った。

ありすがベランダで育てている木々を見ながら

「君が植物から愛情を注がれているのも、ありすの周りを包む大気が優しいのも、君が木蓮であったことの何よりの証拠だよ」

そう続けた輪は、ありすに“自分が木蓮である自覚”を持って欲しいかの様だった。

返答に困るありすに、輪は少しためらう様に言った。

「だけど…君が木蓮として覚醒しない理由をボクは知ってる。紫苑は木蓮をひどく傷つけたことがあった。…多分、君はそれを思い出したくないんだ。」

ありすは、たった1度だけ見た紫苑の姿を忘れることがなかった。
なぜか無性に紫苑に惹かれるがあまり、乙女な妄想をしたこともある…

むしろ紫苑にひどく傷つけられたという想像の方が、ありすには難しかった。

「でも…やっぱりあたし、自分が木蓮さんだとは、とても思えないし…」

「じゃぁ、もし紫苑が見つかって会合で逢えるとなったら君はどうするの?」

「えっ…み…見つかったの!?」

ありすのあからさまに浮ついた態度に、輪はほんの一瞬だけ目を見張った。

「いや……残念ながらまだだけど…紫苑に逢いたい?」

ありすから目をそらして、輪は続けた。

「う…うん、あたしミーハーで…紫苑さんの大ファンだから…」

ありすは素直に答えた。

「ふぅん…そう…」

輪はつぶやきながら俯いた。

シナリオ

シオン春彦シュウカイドウを呼び出し“協力”の詳細を話した。

「月の仲間が見つかった、君には『紫苑』としてぜひ逢ってもらいたい」

そして、今後のシナリオを話し始めた。

『紫苑』である君は『月基地をあのままにしておいていいのだろうか?』
と考えている
『地球の科学の発展により、月基地が地球人に見つかりかねない』
『それならいっそのこと、破壊してしまいたい』
『ボク達の歴史を地球に持ち込まないために』
方法は、基地の自爆装置を作動させること
そのために、全員のキィ・ワードが必要
キィ・ワードが揃えば地球こちらから装置に命令を送信できる
月基地はそれを受信し希望は果たされる

春彦は、輪が話すシナリオの中にある“キィ・ワードの送信”に思い当たる節があった。
東京タワー内部の設計図…

「東京タワーに…その…送信の…」

「いいだろ?どちらにしても造り変えることになっていたんだし。オマケが付いたところで他に変わりがあるわけじゃないし。」

シオンはクスッと微笑んだ。

ムーンドリームの会合で、ボクは秋海棠で通っている
秋海棠の死後、木蓮、紫苑キミの順で伝染病が発病し間もなく死んでしまった

ー ということにしよう。ー

輪の新たなシナリオにより、ムーンドリームの真実は捻じ曲げられた。
これは輪と春彦が言わない限り、誰も気づくことができない輪の都合のための新事実でっちあげ

さらに続く輪の指示はこうだった。

「いまだ覚醒できずにいる彼女ありすに近づいて、紫苑に憧れている彼女を誘惑し、そしてキィ・ワード聞き出すんだ」

ありすの覚醒を促せ

「そして、なるべく柊達の前では危険思想を持った男の様に振る舞いたまえ。」

かつて月でそうであった紫苑を

演じてみせろ

ここまでのお話は
ぼくの地球を守って(文庫版)第二巻より、お伝えしています。

ぼくの地球を守って 感想と思うこと

頭の良さもさることながら、目的のためなら手段も選ばないし犠牲もいとわない輪くん(紫苑)
ダークヒーローがすぎる!

けど

ふとした時
ありすにだけ見せる切そうな表情に、胸が痛いんです!!

紫苑にとっては、
自分をも犠牲にしてやり遂げたい

「地球を守りたい」

その使命感の先にある、本当の意味って‥?

つづきは↓こちらです
ぼくの地球を守って あらすじ~vol.7~ ときどき感想

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七色便り綴り人
なな

北海道生まれ、田舎育ち、東京暮らしを経て現在長野在住
気の向くままに
明日もしかしたら誰かの役にたつかもしれないことを
色々綴っています。

特にスピリチュアルな人間ではなけど、神社を好みます。
(お手伝い程度、巫女経験あり)
神様と対話ができる方を羨ましく思う今日この頃。

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