私の人生において、フルマラソンに挑戦するということが訪れるとは思ってもみないことでした。
もともと運動が好きではなかったからです。
特に運動の中でも走ることが苦手な私にとっては
今思っても、なんだってフルマラソンの大会にエントリーしたんだろうかと苦笑いしかでないのですが・・。
この記事では、ほとんど練習なしの無謀とも言える42.195キロの戦い“フルマラソン体験記”をお伝えしたいと思います。
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しくじりポイントをお伝えしますね!
フルマラソン初心者の体験談はじめます。
「運動が嫌い!」
それはさかのぼること小学生の時。
クラブ活動でバレーボールを選択し
体力作りのための走り込み(とはいっても、毎日1キロくらいのジョギングです。)が嫌でクラブを辞めた当りから自分は走ることが合わないとわかっていて。
中学の部活では文科系を選び
マラソン大会は生理だからと言って出場放棄し
運動会では短距離走の前にお腹を壊す程
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辛いこと苦手・・。
というはずなのですが。
思い起こせば、フルマラソンに挑戦する前に
100キロウォークという大会に出場したことがありまして。
制限時間内に100キロ歩く中でいかに多くの感動・感激・感謝を感じることができるかが大会の趣旨としてかかげられている大会
(私が参加した 三河湾チャリティー100km歩け歩け大会より)
「普通に過ごしていたらできない体験をしてみようぜ!」
という友人の声かけに乗り
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と参加した100キロウォークは完歩できたもんだからして
「100キロウォークの次は、フルマラソンを体験してみようぜ!」
という友人の声かけに対して
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100キロの半分以下だもんね。
思考の麻痺がみられるというか
42.195キロというフルマラソンのハードルが低く感じられるというか
考え方の視点が普通じゃなかったんですね。
自分が走るのが苦手ということはすっかり忘れて、とりあえず距離だけ見たら100キロの半分以下なんて・・チョロいんじゃないの?
100キロを歩くという感覚を知ってしまった私は、完全に調子に乗っていました。
フルマラソンに参加することになる経緯は人それぞれで色々あると思います。
私の場合は、完全にノリ?と麻痺での自分の力を過信した参加となりました。
フルマラソン初めての大会は おきなわマラソン
友人がこれに参加しない?と提案してくれた大会が
毎年2月に開催されている おきなわマラソンでした。
おきなわマラソンの注目ポイントその1
物資が超豊富!
おきなわマラソンは人気のマラソン大会であり、走ったことがあるという経験者の情報によると、沿道のみなさん(街の住民のみなさん)の応援がすごいんだとか。
大会運営側の給水ポイント以外にも、沿道で応援くださる住民のみなさんが個人的に
塩
黒糖
飴
アイスキャンディ(チューペットみたいなやつ)
おにぎり
みかん
バナナ
シークワーサー
スポーツドリンク
ウィダインゼリー
などなど
たっくさん用意してくださっていると。
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おきなわマラソンの注目ポイントその2
嘉手納基地内走行
普段立ち入ることが絶対にできない嘉手納基地の中が、おきなわマラソンのコース内に組み込まれており、この日ばかりはランナーとして入ることが許されています。
観光で外観は見ることができても、普通だったら入れない嘉手納基地の中。
ちょっと興味ありませんか??
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お住まいの外国の方からの応援も派手ですよw
おきなわマラソンの注目ポイントその3
景色も楽しみながら走行!
レース中に沖縄の青い海が見える
世界遺産の横を通過する
そんなロケーションの中を走ることができるのであれば楽しさのあまりマラソンの辛さがふっとぶのではないか?
と素人ながらに思ったわけです。
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(実際は、体がキツすぎて全然楽しめなかった・・)
私たちは東京からの参加だったのですが、沖縄への移動手段に格安の飛行機(LCC)を利用すると新幹線移動をするような場所を選ぶよりも、はるかに安く済むこともあり。
マラソン大会が終わったら観光もしちゃおう!
という勢いで、沖縄へ行くことに決めたのでした。
フルマラソン初めての感想は・・
結果からお伝えしてしまうと、私はこの初マラソンを完走することができませんでした。
フルマラソンの失敗談をお伝えすることになります。
フルマラソン失敗ポイント1 練習が足りない
そもそもなんですが、ほとんど練習をしておらず。
5kmほど2、3回走ってみた程度での出場でした。
というのも
私の場合は、100キロウォークの大会出場のためのトレーニングで、100キロ歩く筋肉は持ち合わせている状態だったので「大丈夫なんじゃない?」という過信が強すぎました。
歩くのと走るのでは訳が違います。
使われる筋肉も違えば、走るとなると心拍などの変化も著しいため
歩く辛さと走る辛さは全く別物でした。
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フルマラソン失敗ポイント2 水分補給の失敗
日常生活の中で、水分って意識して摂りますか?
いつも運動されている方であれば水分補給の重要性をわかっていると思いますが、私は運動嫌いであり、普段水は喉が乾いたなと思ったらやっと飲む派で。
フルマラソン参加の当日は、特に走っている途中でトイレに行きたくなることの方が嫌だよなと思ってしまって、レースの序盤は給水所があっても水分を摂らなかったんです。
マラソン時、水分補給を怠ることの怖さを私は知らなかったんです。
脱水状態になった体は走り続けることができなくなります・・。
フルマラソン失敗ポイント3 高低差
フルマラソンの大会は全国各地で行われていて、各大会によって特徴もそれぞれ。
私が参加したおきなわマラソンなんですが、高低差があるコースとなり、同じ42.195キロだとしてもアップダウンが激しい分よりハードな部類に入る大会だったようで。
途中緩やかながらも、ずーーーーっと登り続ける坂があったり
まるでジェットコースターの登り!?のように壁のようにそびえ立つ急勾配に見える坂があったり。
逆に下りでスピードが出すぎてしまったり・・
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フルマラソン失敗ポイント4 膝が痛い
下り坂があるコースの場合、特に膝に注意が必要だと思います。
いくらスポーツ用のアンダーウエアで関節のサポート機能がついているものを着用していても、初心者が練習もそこそこに、走り方もなっていないまま長時間脚に負担をかけすぎるとどうなるか。
だいたい想像がつくかと思いますが、私の場合は特に膝が痛くなりました。
体の重さ
呼吸の苦しさに
膝の痛みが加わると
走ることを本当にやめたくなります。
早く終わってくれ、もうやめたい!
こんな感情をレースの早いうちから抱えてしまうと、自分の心との戦いに勝利することは絶望的といえます。
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フルマラソン失敗ポイント5 荷物持ちすぎ
おきなわマラソンは沿道での物資が多いと聞いてはいたものの
「自分が水を飲みたいタイミングで、もし水なかったらどうするの?」
「万が一、エネルギー足りなくなったらどうするの?」
と、経験不足からくる不安を補うために
わたしは水500ml分や塩飴、補給食、アミノ酸などを持って走っていたんです。
水に関しては、持って走る必要まったく無かったです。
給水所や、沿道の方からいただけたスポーツドリンクで本当に十分でした。
自分はなぜにこんなに重たい水を持ったまま走っているんだ・・
と、10キロ地点あたりで捨てました。
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物資を受け取る際は、ランナー側も「ありがとう!」「いただきます!」を伝えてあげると気持ちのいい初走行ができると思います。
(スピード重視の戦い方のランナーさんは、物資を奪い取るように受け取って、ゴミを投げ捨ててという方も見受けられるんですが、初心者のうちは沿道の方と心を通わせた方がエネルギーになると思いますよ!)
フルマラソン失敗ポイント6 タイムアウト地点の把握
出場する大会がどんなコースであるのかを把握しておくことで心構えができるので、まずそれは怠らない方がいいのと同時に
これは絶対に必要だということに、タイムアウト地点を把握しておくことが上げられると思います。
フルマラソンの大会はスタートしてからゴールするまでの制限時間が決められているので
「コースの途中のここのポイントを◯時までに通過できていなかったら、まだ制限時間内であってもゴールが不可能と判断し、その場で強制リタイアですよ」という地点が数カ所設けられています。
どんなにゆっくり走ったとしても、タイムアウト地点の通過時間だけは守らないと強制的に試合終了とさせられてしまうので、そこだけは意識して走る必要があります。
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フルマラソン失敗ポイント7 スタート前に心が沈む
フルマラソンを練習なしで根性だけで乗り切ろう、とするならば
少しでもご機嫌で、心は晴れやかで、気持ちだけでも軽くいる必要があると思います。
ちょっとでも、気がかりなこと
ちょっとでも、不安なこと
ちょっとでも、心配なことなど
「やり残した仕事、あれどうなった」とか
「彼のケータイに届いていた知らない女からのメール、あれ何?」とか
「今朝目覚めのコーヒー飲んだせいで途中お腹壊したらどうしよう」とか。
頭によぎった、ほんの少しのもやっと感が、走り続けているうちに心をむしばんでいくんです。
根性が考え事のストレスにより思ったよりも急速に無くなっていくので、大会前には楽しくゴールを目指すことを考えた方がいいと思います。
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心が折れやすくなっていた気がします。
フルマラソン失敗ポイント8 着用している服
フルマラソンの大会で、たまに見かけませんか?
仮装している方たちを。
キャラクターに扮していたり、被り物をしていたり。
実は、私も仮装組でして・・
フルマラソンを遊びと考えているとか、ナメているわけではなく
ある、理由と想いがあって仲間内では仮装マストでの出場でした。
私の場合は
アンダーはスポーツ用のCW-Xを着用しているのですが、その上から
金髪ロングのカツラをかぶり
顔に合皮の仮面の様な被り物をし
合皮の衣装を身にまとい
ロングマントを付けている
という。
全体的に重たいんです、明らかに。
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フルマラソン失敗ポイント9 友人と一緒に走る
私の衣装はヤッターマンに出てくるドロンジョというキャラクターでした。
ドロンジョといえば、ボヤッキーとトンズラーなる仲間みたいなお連れのものがいまして。
(ご存知でしょうか??)
フルマラソンに参加した仲間がノリでボヤッキーをやってくれて、大会中も一緒に走った方が面白いということで同走していました。
これが、私にはまずかったんです。
仲間と一緒に走った方が励ましあえる!という意見もあると思います。
実際にそうすることで、頑張れる方も多いと思います。
が、私には逆効果だったんです。
そもそも、ボヤッキーは男性であり、私は女性。
もともとのポテンシャルが違うので、自分の走りやすいペースが一緒じゃないんですよね。
一度経験してみてわかったのですが、100キロ歩くのとは違ってマラソンの場合は、自分のペースを絶対に崩さず守り続けることが重要だと思います。
ペースが崩れると、とたんに体から悲鳴が聞こえてくるのです。
それは、私のペースに合わせようとしてくれたボヤッキーにも同じことが言えて
ボヤッキーはもっと早く走れたはずなのに私に合わせたせいで辛くなっていたし
私ももっとペースを早くしようと焦ったせいで辛くなりました。
もう、何度も言いましたもんね。
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結果、ボヤッキーは一緒にリタイアとなってしまいました。
フルマラソン失敗ポイント10 沿道の人に愛想ふりすぎ
私たちの仲間が仮装をして大会に参加する理由の一つには、沿道の人に楽しんでもらおうというものがありました。
大会スタッフさん
一瞬通過するだけのランナーのために物資を用意してくれる街のみなさん
声援を送ってくれる子供達や、おじい、おばあ達
ランナーが路上に投げ捨てていった紙コップを清掃してくれる方
仮装をしていると、「あ、〇〇だ!がんばれ〜!」と笑ってもらう事ができます。
「あ、〇〇だ!」と呼ばれたからには私も愛想をふりまいて応えます。
いいエネルギーの循環が生れて、頑張れる反面
当然ですが、余計な身振り手振りのやりすぎには注意が必要です。
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フルマラソン失敗ポイント11 心がそんなに強くなかった
練習をきちんと積んでいるのであれば、初めてのフルマラソンであっても走るイメージはできているでしょうし、なんといっても完走できる自信もあると思います。
根性でフルマラソンを完走しようという場合、途中途中で弱い自分が間違いなく顔を出します。
喉が痛い
呼吸が苦しい
お腹が痛い(気がする)
膝が痛い
体が重たい
上り坂で心臓やぶれそう
暑い
水飲みたいけど、手を振り足を前に進める事以外もう別の動きしたくない。
簡単なことが苦痛に感じたり
どうでもいい事にイラっとしたり
何度も何度も
「もう走る事をやめてしまえ!!」という声が聞こえてきます。
練習してきたなら
「なにくそ、私はあれだけトレーニングを繰り返してきたんだから大丈夫!」
とか、思えるんでしょうけど
練習なしの場合は
「まぁ練習もなくよくここまで頑張ってきたって、十分だって」
みたいな、走りを止める正統な理由みたいなものを探したりしはじめることもあります。
思った以上に自分の弱さと向き合うことになります。
私が参加したおきなわマラソンで、心がおもいきり折れたポイントは32キロ地点。
嘉手納基地内を通過し終える直前に見た激坂です。
(激坂に見えたんだよな・・)
私の前をゴールに向けてひた走るランナーの大軍が、まるで空に向かって走っていっている様に見えました。
残りあと10キロ。
ここまできたら、あとたった(?)10キロ。
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これ以上走り続けることの限界を感じまして、人生で初めて心の折れる音を聞きました。
フルマラソン初参加 リタイアからの・・そして。
目の前で嘉手納基地の門が閉じられていきます。
この門が閉じ切る前に通過することができたなら、
ギリギリセーフで、強制リタイアから免れることになります。
「30秒前!・・・・・・10秒前!」
「5・・4・・3・・2・・・」
ご丁寧にカウントダウンとかしてくれちゃって。
もし、
2分前に門を通過する事ができていたら。
私はタイムアウトポイントをギリギリで通過できたことになり
あの、空に向かってひた走る激坂を登り続けるはめになっていました。
無理という言葉は使いたくないのですが、あの坂は無理。
この体と心の状態ではもう
無理。
無理っていうか
ヤダ。
激坂前にリタイヤポイントがあってくれてよかったとさえ思いました。
「本当は最後まで走りたかったけど、強制リタイアさせられちゃったから完走できなかっただけ」
とか言い訳できるじゃないですか・・かっこ悪いですけど。
門が閉じてしまったその後、
私を含め嘉手納基地の門の中に残ってしまったランナー達は強制的にバスに乗せられてゴール地点に向かいました。
動きを止めた体をよくよく感じてみると、痙攣してるわ筋肉痛出てるわでボロボロでした。
私がゴール地点にバスで運ばれてからは、32キロ地点のタイムアウトポイントを通過できて、いまだゴールに向かって走り続けている友人を待つことになります。
私は完走はできなかったけれど、自分の心に打ち勝って完走できた友人を、ゴールポイントで向かい入れ
無事に完走できたコの話を聞くと
あの、空に向かって走る最後の激坂を越えると真っ青な海が広がっていたんだそうです。
そこからは下り坂のままゴールを目指すので、絶景を楽しみながらゴールできたと言っていました。
そして、完走できた組の友人達は、やはりどこか誇らしげでカッコよかったです。
フルマラソンに初めて参加をしたこの日の悔しさを糧に、絶対次は完走してやる!!と決めたのでした。
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失敗からの成功談はこちらからご確認いただけます。
私の場合は、失敗があったからこその完走ですが、これから初めてのフルマラソン完走を目指す方のお役に立てることがあれば幸いです。
決して無理の無いように、頑張って下さい!応援してます!!