お彼岸とお盆。どちらも故人を偲び、お墓まいりをされる方が多いと思いますが
お彼岸とお盆の違いってわかりますか?
違いと聞かれると・・わからない!
お彼岸とお盆のルーツを知ると、その違いからお墓まいりの心構えが変わり
先祖供養の仕方も変わってくるかもしれません。
お彼岸とお盆の大事なポイントをおさえて、今まで以上にお墓まいりを有意義なものにしてみてはいかがでしょうか?
お彼岸とお盆の違い
お彼岸もお盆も「先祖供養」でお墓まいりに出かける、という点においては違いはありません。
ですが、その違いは起源(ルーツ)をたどると全く別物であるということがわかります。
お彼岸の起源
仏教の発祥の地インドが起源であり、インドでは彼岸という言葉は
『煩悩や欲から逃れて悟りの境地に達すること』
『そのために積む修行』
という意味となります。
それが日本では、彼岸という悟りの境地に達した世界のことを
『仏様の世界(あの世)』
と意味付けし、あの世とこの世が最も近づくとされるお彼岸の日に仏様の世界にいらっしゃるご先祖様を敬い供養しつつ、自分も悟りの境地に近づこうと7日かけて修行をする(分け与える、規律を守る、怒りを捨てる、感謝する、努力する、心を安定させる、智慧をあらわす)日本独特の風習を行うようになりました。
これがお彼岸です。(もっと詳しくお彼岸の由来と意味 いつ?何をするもの?わかりやすく解説)
お盆の起源
お盆も起源は仏教からですが、日本にもとからあった風習と結びついたと言われています。
すると、母は餓鬼界(食べるものも飲むものもなく飢えて苦しむ世界)に落ちて苦しんでいることがわかり、助けたい一心で仏陀に相談をします。
仏陀は「尊い僧侶の会合があるから、その時に食べ物や飲み物をふるまいなさい」と説き目連は自分にできる精一杯のおもてなしを僧侶たちに行い、徳を積んだおかげで母は無事に往生することができたのでした。
この話が日本に伝わったことと、元々日本にあった『ご先祖の魂がこの世に戻ってくる』という先祖信仰の風習が融合し
お盆には様々な飲食を用意してお供えし、ご先祖様をお迎えて自分たちも幸せになるように供養するという行事となりました。
これが、お盆です。
※宗派や地域の風習によっても違った解釈である場合があります。
お墓まいりの仕方(お彼岸 お盆 意識の比較)
お墓まいりは先祖、故人を偲び紡がれてきたことへの感謝を忘れずに行うという点においてはお彼岸とお盆に違いはないようです。
が、上記のお彼岸、お盆の起源がわかるとお墓まいりの際の意識はちょっと違うものになりそうですね。
お彼岸 お墓まいりの仕方
・生きている我々が悟りを開くための修行期間である
・あの世(ご先祖様がいらっしゃる仏の世界)が近くなる日である
私は頑張ることを報告したり、自分が仏様に恥ずかしくないように生きるという意識でお墓まいりをしてこようと思いました!
それから、あの世が近くなる日なので感謝も届きやすいんじゃないかなと思います。
お盆 お墓まいりの仕方
・あの世から、ご先祖様が戻ってくる日である
・あの世で食事に困ることのないように祈り、おもてなしをする
せっかくなので、故人の好きだったものをたくさん用意して華やかにおもてなしするっていう意識になりました。
先祖供養のお供え物(お彼岸とお盆 定番比較)
お彼岸とお盆、定番のお供え物について違いを見ていきましょう。
お彼岸のお供え物
お彼岸にお供えするもの、といえば『ぼたもち』『おはぎ』が有名です。
赤い色のあずきは邪気を払う食べ物であると信じられ、厄除けでお彼岸に用いられるようになったという説や
二つのものを『はぎ合わせる』=先祖と心を合わせるという意味合いも込められているそうです。
お盆のお供え物
故人が戻って来られる日ですから、基本的には好きだった食べ物や飲み物を用意しておもてなしをします。
(ただし、いくら故人が好きだったといっても、生肉や魚は避けます。)
お盆のお供え物は、そうめんが使われることが多いそうです。
『幸せが長く続く』『ご先祖様が帰るときに荷物を縛る紐になる』など、理由は諸説あるようです。
最低限の節度を守って、故人への供養と感謝を込めて最大限のおもてなしをしましょう。
お彼岸でも、お盆でも
お供え物に絶対!という決まりごとは無いようですが、言い伝えや風習、故人が好きだったものを思い出して準備をします。
供え終えたあとにお下がりを頂くことも、ご先祖様と繋がり縁を紡ぐことになりますので感謝して頂きましょう。
お彼岸とお盆の違いについて 最後に・・
起源の違い、お墓まいりの際の意識(心構え)の違い、定番のお供え物の比較から
お彼岸とお盆の違いが見えてきました。
故人、ご先祖様へのお参りの際、今まで以上に有意義なお墓まいりの時間になるのではないかと思います。